のぼってゆく坂の上の青い天にもし一朶の白い雲が輝いているとすれば、それのみをみつめて坂をのぼってゆくであろう。
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「犬と子供のしつけはドイツ人に任せろ」という言葉がある。ドイツ人が犬好きでしかもしつけ上手だというのは古典的なKlischee(ステレオタイプ)だが、この国で暮らしている実感としてはあながち的外れではない。
ドイツでは市街地でもよく犬を連れて散歩をしている人を見かける。品種はシェパードやレトリバーなど大型犬からスピッツやチワワのような小型犬までさまざまで、日本で馴染みのあるものも多い。紐をつけていないこともしばしばだが、犬は道端に失敬することもなく、唯々諾々として主人に従って歩いてく。そのまま路面電車やレストランに入っていくことも珍しくない。
この国では犬の社会的地位は高い。電車やバスなどの公共交通機関では大抵犬の同乗が認められている。レストランやスーパーなどにも問題なく入れる。ホテルですらこの点には注意を払っており、多くの場合動物の持ち込み可否はHP等でもわかりやすい箇所に明記されている。
だが並の日本犬ではこうした待遇は認められないだろう。この国の犬は驚異的に従順で大人しく、混雑した電車の中でも他人の匂いを嗅いだり主人にじゃれついたりすることはない。ましてや吠えることなど決してなく、じっと床に伏せたまま降車駅まで静かに佇んでいる。ドイツに入国してから無数に犬を見かけたが、まだ一度も人に吠えかかる姿を見かけたことはない。犬が日常生活のルールに溶け込み、人間の妨げになることがないのである。
私はこの国に来てから犬という動物に対するイメージが大きく変わった気がする。同じ動物であるのになぜ国によりここまで性質が異なるのか。この違いはおそらく血統的な要因やしつけだけによるものではないだろう。社会全体が醸し出す漠然とした「空気」というものが大きな役割を果たしているように感ぜられる。日本の犬をドイツに持ち込んだらどうなるのか、その逆はどうか、少し興味がわく。
考えてみれば動物の性質が全世界共通である理由はどこにもない。人間に民族性があり文化があって地域ごとに気質の違いがあるのと同じように、犬にも(品種による相違とは別に)文化があり地域ごとに気質の相違があったとしても、何ら不思議な話ではない。
ちなみに今のところ街中で猫を見かけたことはない。これだけ犬と人の関係が密接な国では、つけ入る隙はないということだろうか。
自分が通っている語学学校ではZivilsと呼ばれる20歳前後の若者たちが文化プログラムを担当している。彼らの勤務する部屋は大学のサークルのような雰囲気で、いつも和やかな空気が漂っている。
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