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望雲録

のぼってゆく坂の上の青い天にもし一朶の白い雲が輝いているとすれば、それのみをみつめて坂をのぼってゆくであろう。

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労働者の国(2)~ストライキ

 ただ面白いことに、世論調査では一貫してGDLに同情的な声が多数を占め続けた。秋口にいったん経営側に傾きかけたかに思われた時流も組合側を押し切るところまではいかなかった。

Wolfgang_Tiefensee.jpg
 結局「クリスマス前に合意に達したい」との双方の要望はかなわず、交渉は年を越した。またもやスト実施の危機が迫る中、一月中旬にWolfgang Tiefensee連邦交通相(左)の仲介30191-schellddp_016F0800D891A2A8475566b816e6.jpgがようやく功を奏し、電撃的に合意が成立することになった(右)。結果的にGDL側の主要な要求が大きく認められる形となり、Schell組合長は満面の笑顔で記者会見にのぞみ、「GDLにとって歴史的な日だ」と満足げに語った。この国ではストが交渉手段としてまだまだ実効力を持っていることが実証されたことになる。
 
 ちなみにDB側がこの協約から生じる負担増を運賃引き上げで補う意図を示すと、一斉に批判的な記事がドイツ各紙を踊った。全国紙のDie Welt紙には”Bahnchef droht seinen Kunden(鉄道経営者は自分の顧客を脅迫している)"という見出しがつけられた。普段は冷静で事実を淡々と報告する新聞であるだけに、この感情的な報道ぶりは非常に印象的で、労働者の地位向上への高い関心と経営者に対する反感が感じられた。

28199-bahnddp_016EAC008D9BA352.jpg 日本人の目から見れば少しバランスを欠いているように見えるが、これがこの国の常識のようである。学生の自分ですら不便を感じたのだから、一般通勤者の迷惑ははかり知れない。それでも組合側は最後まで世論の反発を招くことはなかったのである。
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ストライキ

ストライキといえば、昨年秋に、私が住むニューヨークでもブロードウェイのストライキがありました。19日間に及ぶストライキで、歴代2番目の長期戦となったようです。運悪くその時期にNYを訪れた私の友人はブロードウェイを見れずに日本に帰国せざるを得ませんでした。

記事を拝読して感じたのは、なぜ長く続いたストライキが交通相の仲介によって解決したのか、という点です。私も仕事柄対立する二者の間に入って、交渉をまとめる機会がありました。直接の二者間交渉よりも、仲介者が介在することで情報の完全共有による感情的対立を防ぐことができたり、交渉の妥結点を第三者が客観的に提示できるといった利点があるのかもしれませんね。先日受けた経済学の授業でも、利益が対立する二者間を統合的に考えることで、両者によってよりよい結果をもたらすことができることがあることを習いました。

今後も面白い記事を掲載されることを期待しています!!よい週末をお過ごしください。

>ストライキ

 (5)にも少し書きましたが、労働に対するものの見方というのは日欧間のかなり重要な価値観の相違だと思います。ストが死に絶えてしまっている国というのは案外珍しいのかもしれません。ドイツ人と日本人を並べて「勤勉な国民」と括ることには、最近かなり違和感を感じるようになりました。「勤勉」の性質がかなり異なるように思うからです。

 実は政府はかなり前から仲介役を買って出ていたので、それによって突然物事が進展したわけではないんです。加えて政府の姿勢が中立的であったかは疑わしいです。最後までゼロサムに近い形で対立していた「独自の労働協約」につき、DB側が一方的に押し切られたわけで、この点何か圧力が働いたのかもしれません。ちなみにこの交通大臣もSPD所属です。真相は知る由もないですが。

 それでは今後もコメントよろしくお願いします!

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読書、旅行
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三度の飯より政治談議が好きな30間近の不平分子。播州の片田舎出身。司馬遼太郎の熱狂的愛読者で歴史好き。ドイツ滞在経験があり、大のビール党。
[12/16 abuja]
[02/16 einjapaner]
[02/09 支那通見習]
[10/30 支那通見習]
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