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望雲録

のぼってゆく坂の上の青い天にもし一朶の白い雲が輝いているとすれば、それのみをみつめて坂をのぼってゆくであろう。

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労働者の国(1)~ストライキ

 ドイツでは日本に比して労働関係の話題がニュースになることが多いように思われる。その中でも特に印象的だった事件を二つ紹介したい。

 ひとつはドイツ鉄道(Deutsche Bahn、DB)におけるストライキである。
 日本では鉄道のストなどはほとんど過去の遺物となっており、何やらレトロなイメージすらある。仮に発生したとしても儀式的に1、2日行うだけで、実際に賃上げ交渉を大きく左右するような意味は少ない。

a055c018.jpeg ところが今回のドイツ鉄道のストは、賃上げ交渉と並行してなんと半年以上にわたり断続的に行われた。交渉が暗礁に乗り上げるたびに全ドイツ規模でストが実施されたため、この間ドイツ国民は交渉の行方から目が離せなかった。ちなみに自分も3回ほどストで足を奪われた(左はストにあった乗客に情報提供と飲み物のサービスを行うDB職員)

 問題の発端はGDL(Gewerkschaft Deutscher Lokomotivführer、ドイツ機関士労働組合)という労働組合である。ドイツ鉄道の機関士の大多数を組織する労働組合で、昨年3月の賃上げ交渉の際に他の労働組合と異なる独自の労働協約(つまり機関士独自の労働協約)を求め、31%の賃上げや労働状況の改善などを求め752049_1_AH_20070806914_20070806.jpgた。交渉が行きづまった6月上旬、GDLは無期限のスト突入を宣言し、以後断続的に全国規模のストが繰りかえされることになった。組合長であるManfred Schell氏(右)は毎日のようにメディアに取り上げられ、一躍時の人となった。秋に入るとさすがの異常事態に政府も傍観できなくなり仲介に乗り出したが、すぐには成果が上がらなかった。

 交渉の大きな山場であった10月は特にストライキが頻発した。一面の見出しに「今日のストライキ予報」なる欄が設けられた新聞もあった。大手の自動車レンタル会社はストのおかげで収益が大幅に増大し、遊び心からかSchell氏への感謝広告を出した会社もあった。

Margaret.JPG.jpg この時期、DB側は”Stoppen Sie diesen Wahnsinn, Herr Schell!”(こんな気違いじみた行いはやめなさい、Schell氏!)と題した新聞広告を打つなど、両者の対立は最も先鋭化した。(左はDBの交渉担当者、Margret Suckale氏。)

 
 ちなみに交渉が最も過熱していた10月にSchell氏が3週間(!)の休暇をとったことがちょっとした話題になった。日本で同じことをすればマスコミに徹底的に叩かれ、国民はもちろん組合員の信頼も一気に瓦解していたことだろう。ドイツでは休暇は不可侵の権利である。
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三度の飯より政治談議が好きな30間近の不平分子。播州の片田舎出身。司馬遼太郎の熱狂的愛読者で歴史好き。ドイツ滞在経験があり、大のビール党。
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