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望雲録

のぼってゆく坂の上の青い天にもし一朶の白い雲が輝いているとすれば、それのみをみつめて坂をのぼってゆくであろう。

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Ostalgie(2)

120px-Ampelmaenner.jpg その他日本でも比較的よく知られているのがAmpelmann(アンペルマン、信号男、左)である。もともと東ドイツで使用されていた歩行者用信号の人型であり、東ドイツでの交通教育などで使用された経緯もあって、存続を求める声が強く、市民運動まで組織された。現在はベルリン土産として様々な関連グッズが120px-East_Berlin_traffic_lights3.jpg販売されている。その人気ゆえか、現在では西ドイツのいくつかの都市でもこのAmpelmannを用いた歩行者信号が導入されているのだという。

 私の友人には旧東ドイツ出身者はいないので確認のしようがないが、今でも旧東ドイツでは、こうしたオスタルギー溢れるグッズや飲食品を持ち寄って在りし日の民主共和国を懐かしむパーティーがあちこちで開かれているという。切ないと言えば切ないし、滑稽と言えば滑稽である。おそらくOstalgieに浸る人々の胸の中にも哀愁と自嘲の思いがないまぜになっているのではないかと思う。

 ドイツにはOssi(オッシー)、Wessi(ヴェッシー)という言葉がある。それぞれ「東のやつ」「西のやつ」といった程度の意味合いだが、往々にして両者のお互いに対する反感が込められているという。統一とは事実上の西側による東側の合併吸収であり、企業も行政も政治も西側が大挙して東側を占領し統治し改革していく歴史だったということもできないわけではない。そこに生じた東側の「二級市民」としての劣等感、その裏返しがOstalgieという現象の一つの根になっていることは間違いない。

 すでに統一後18年の歳月が過ぎようとしているが、今でも東西ドイツの経済・社会格差は歴然としており、新聞やニュースでも東西関連の話題が取り上げられることは珍しくない。Ostalgieはドイツのもう一つの「過ぎ去らない過去」を象徴しているといえる。旧東側市民がDDRの歴史的位置づけと統一という現実とにクールに向き合えるようになるには、まだまだ時間が必要なのかもしれない。

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ドイツ統一

おそくなりましたが新年明けましておめでとうございます。お元気でいらっしゃいますか?今年も快調にブログを更新されているようで何よりです。

ひとつ不勉強な私に教えていただきたいのですが、ドイツ統一はなぜかくも大きな混乱もなく成功したのでしょうか。(或いは色んな問題がまだ存続しているのでしょうか。)もちろん政治、経済、社会の様々な面で小さな衝突もあったのかもしれませんが、ブログの手記を拝見していると、ドイツの人々にとっては、もう現在進行形の問題ではないようにも窺われます。

東アジアにあるもうひとつの分断国家を眺めたとき、このドイツ統一の問題はドイツの国内問題以上の意味がありますね。

>ドイツ統一

 あけましておめでとうございます!そちらの選挙の話は海を超えたこちら側でも大きく報道されてますよ。混戦のようで目が離せないですね。
 ドイツ統一がなぜうまくいったのか…。いや、非常に難しいですね。日本語文献では「思われているほどうまくいっているわけじゃない」という論調が多く、統一の手法や、経済社会格差などが批判されたりします。今でもあらゆる経済指標ではっきり東側の劣位が示されますし、旧西側から東側への財政支援も続いています。
 ただおっしゃる通り経済社会システムの違う国を取り込んだ割には混乱が少ないように見えますよね。一つには東ドイツが「社会主義の優等生」として統一前からそれなりの経済水準を誇っていたことがあげられると思います。統一直前の東西経済格差は大体3:1だった由。この点、半島の両国とドイツとは全く比較にならないかも…。
 いずれにせよ面白い問題なので、もう少し勉強してみたいと思います。

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Ein Japaner
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読書、旅行
自己紹介:
三度の飯より政治談議が好きな30間近の不平分子。播州の片田舎出身。司馬遼太郎の熱狂的愛読者で歴史好き。ドイツ滞在経験があり、大のビール党。
[12/16 abuja]
[02/16 einjapaner]
[02/09 支那通見習]
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