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望雲録

のぼってゆく坂の上の青い天にもし一朶の白い雲が輝いているとすれば、それのみをみつめて坂をのぼってゆくであろう。

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住居雑感(1)

 10月も半ばになると目に見えて日差しが低くなり、朝夕の冷え込みも少しずつ厳しくなる。先週末には南部で早くも雪が降ったらしい。夏場は大通りにテーブルを出していたカフェやビア・ガーデンも屋内に引き上げ、街全体も少しずつ静けさを増して、いよいよ冬の入り口をくぐったという実感が湧いてくる。
 
 それでもドイツの屋内は過ごしやすい。基本的にドイツの建物は厳しい冬を念頭に建てられていると言ってよいだろう。多くのアパートはセントラル・ヒーティングが備え付けられ、建物全体の暖房が行き届くようになっており、何重にも塗り重ねられた壁は断熱効果が高く、熱が部屋から逃げにくい構造になっている。最近では夏場にかなり気温が上昇するので、屋内で暑さをしのぐのは一苦労(通常冷房は備えつけられていない)なのだが、冬になると断然快適さが増す。寒さが厳しくなるにつれ当然自宅で過ごす時間も長くなるわけで、これは恐らくドイツ人が屋内の調度に並々ならぬこだわりを持っている理由の一つだと思う。
 
 衣食住の中でドイツ人は「住」の比重が圧倒的に高いと言われる。実際ドイツの街中を歩いてみても、家具店や寝具店、照明関係の店が目立って多いように思われる。デパートでもこれらインテリア関係のフロアは常に大きな面積を占めている。とりわけ台所への関心は高いようで、フライパンや鍋、包丁など何気ない台所用品が驚くほど豊富な品ぞろえで売り場を埋めていることもしばしばである。
「台所が汚れるので料理はしません」
というドイツ人主婦の話を聞いたことがあるが、これも笑い話ではなく、どうやら現実にそうしたドイツ家庭が結構な数存在するようである。ドイツ人は概してきれい好きだと思うが、特にピカピカと光るものや透明なものを常に曇りのない状態にしておきたいというメンタリティーは強いようで、そう言えばこの国の窓ガラスは一般住宅のそれもショーウィンドウもいつもきれいに磨かれている。
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HN:
Ein Japaner
性別:
男性
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趣味:
読書、旅行
自己紹介:
三度の飯より政治談議が好きな30間近の不平分子。播州の片田舎出身。司馬遼太郎の熱狂的愛読者で歴史好き。ドイツ滞在経験があり、大のビール党。
[12/16 abuja]
[02/16 einjapaner]
[02/09 支那通見習]
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