のぼってゆく坂の上の青い天にもし一朶の白い雲が輝いているとすれば、それのみをみつめて坂をのぼってゆくであろう。
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一般論で言ってドイツで日本食を入手するのはあまり簡単ではない。とは言ってもドイツでも大都市では日本米も炊飯器も手に入る。それなりの規模のアジア食品店に行けば醤油や酒と言った基本的な調味料はもちろん、カップラーメンやお茶漬け、納豆、豆腐、カレールーなども手に入るので、自炊の手間を惜しまなければ毎日のように日本食を作って食べることは十分可能である。
私はどちらかと言えばあまり食にこだわりのない人間だが、ドイツ人はこと食べ物に関しては驚くほど関心が低いので、彼らのレベルに合わせて生活するのは正直きつい。たとえばドイツ人は夕食をまともに食べない人が多い。ある友人に「何で夕食をもっとちゃんととらないんだ?」と聞いたら、「夜に肉とか食べたら消化が悪くて健康に悪いだろう」といかにもドイツ人らしい回答が返ってきて唖然とさせられたことがある。昼にあれだけ脂ぎった料理を平らげる連中が「健康」とは恐れ入る。
こんな状況なので今では私もカレーや肉じゃがといったごく簡単な料理を日常的に作るようになっている。もちろん安上がりだという理由もある。こちらの炊飯器は保温機能といった気の効いたものは普通ついていないので、余ったご飯は冷蔵しておいてあとでチャーハンやお茶漬けにして食べることが多い。
こういう食生活の中では「日本食を食べて日本が懐かしくなる」という瞬間はあまりなかったのだが、先日たまたま行きつけのアジアショップで「信州そば」を見つけたのである。ちょうど麺類を食べたいと思っていたところなので、そばつゆと一緒に買って早速ざるそばを作って食べてみた。
これが、うまい。
そばの風味のおかげなのかそばつゆのおかげなのか、はたまたワサビのおかげなのかは分からないが、自分の中でこの一年間長い眠りについていた味覚が突然呼び起されたような感覚だった。「日本の味」、そんな言葉が頭をよぎった。懐かしいような寂しいような、暖かいような切ないような、何とも不思議な感覚だった。
よくお茶漬けや梅干しが日本の味の代表といわれるが、私にとっての「日本の味」は、どうやらそばだったようである。あれ以来毎日のようにそばを食っているが、身体の方も久々の日本の味に喜んでいるのか、飽きることがない。そば狂いは当分続きそうだ。
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COMMENT
無題
>無題
無題
寿司屋とかはあるんですか?
アムステルダムで見つけた寿司屋はたいてい中国人経営でしたが...orz
>無題