のぼってゆく坂の上の青い天にもし一朶の白い雲が輝いているとすれば、それのみをみつめて坂をのぼってゆくであろう。
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昨年のクリスマス前後から唐突に40度の高熱を出して寝込んでしまい、ようやく治ったと思ったら今度は虫歯が痛み出し、ついでに年始に大学の授業を詰め込みすぎていたため治療の間もなく準備に忙殺され、散々な形でいつの間にか年を越してしまっていた。大晦日にはドイツ好例の花火や爆竹を打ち上げるイベントが各地で行われていたが、どうも自分には日本流の年の越し方が身体に染み付いてしまっているのか、まだ新年になったという実感が湧いてこない。
気がつけばドイツに来てすで一年と半年が過ぎている。聴解能力と会話能力はまだまだだが、読解力に関しては新聞やインターネットの記事程度なら読みこなせるようになってきて、少しずつまともなエントリーが書けるようになってきたのではと思っている。予定では最低あと半年はドイツに留まるはずなので、少なくともそれまではドイツという国に対する認識をしっかり深めておきたいと思う。
というわけで拙文を定期的に読んでくださっている読者のみなさん、今年もなにとぞよろしくお願いいたします。
さてドイツにとって2009年はどういう年なのか。文化面ではシラー生誕250周年、ヘンデル没250周年が代表的で、いずれも両者の生まれた町で大きなイベントが企画されているようである。また歴史面ではドイツ基本法制定60周年、即ち西ドイツ誕生60周年であり、ベルリンの壁崩壊20周年でもある。奇しくも現代ドイツの二つの出発点が同時に祝われることになる。
経済面では言うまでもないことだが、多くの経済専門家が「最悪の不況」を予測している。GDPも久方ぶりにマイナス成長になるとの観測が強い。一応政府の対策は出そろった感はあるが、そろそろ金融危機の影響が実体経済のすそ野まで達していくと予測され、懐の寒い一年になりそうだ。
そして何より重要なのが政治面である。というのも今年はスーパー選挙年(Superwahljahr)と呼ばれ、重要な選挙が目白押しとなっているからである。
何と言っても注目は4年ぶりに行われる9月の連邦議会総選挙で、大連立政権が解消されるか否かが大きな焦点になっている。現在のところ国民的人気が高いメルケル首相率いるCDU/CSUの保守連合が世論調査では大きく社会民主党(SPD)にリードしているが、SPDのシュタインマイヤー候補(Frank Walter Steinmeier,右。ドイツの政党は首相候補を擁して議会選挙を戦う。ちなみに氏は現大連立政権の外務大臣。)も高い人気を誇り、経済政策でミスが重なればメルケル首相の地位も安泰ではない。もちろん二大政党以外の三つの中規模政党(自由民主党、緑の党、左翼党)も政権参画を虎視眈々と狙っている。
それに先立つ5月には連邦大統領選挙が行われる。こちらも国民的人気の高い現大統領のホルスト・ケーラー(Horst Köhler,左上)の再選が確実視されていたが、SPDが昨年秋に突如独自候補ゲジネ・シュヴァン(Gesine Schwan, 左下)女史を立てたことで情勢はやや不透明になっている。ドイツの大統領は国民による直接選挙ではなく連邦議会と州議会の代表による特別な臨時機関「連邦会議(Bundesversammlung)」による選出なので、民意のバロメーターとして直接の参考にはなりにくいが、連邦議会の前哨戦として注目に値する。
他にドイツ16州のうち5州(ヘッセン、ザクセン、ブランデンブルク、チューリンゲン、ザールランド)で選挙があるほか、欧州議会選挙も6月に予定されている。それぞれ独自の争点があって興味深く、政治好きの私にとっては楽しみな一年になりそうである。
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COMMENT
無題
今年もドイツ留学記、楽しみにしています。
そういやこの前友達と丸の内のドイツ・バー(?)行ってソーセージ食った。うまかった。
>無題
「たまに食べるとおいしい」とよくこっちの日本人がドイツ料理を評しますね。ソーセージやじゃがいも料理(料理と呼べるもんじゃないですが)は確かにうまいけど毎日はちょっときついですね。ビールなら毎日イケますが(笑)。